動画眼3 サポートページ

動画眼とは

動作イメージ(Windows版)
動作イメージ(macOS版)

ユーザリサーチなどのビデオデータを効率的に見返すための支援ツールです。動画(または音声)のタイムインデックスとセットでコメントを記録し、そのコメントを選択することで当該シーンを頭出しするというのが基本動作です。

インデックスとコメントのペアを記録するにはいくつかの方法があります。

1) 動画眼上で再生しているシーンに対してコメント記入

リサーチ事後にビデオを見返しながらコメントを記入するスタイル。動画眼が自動的に再生箇所のタイムインデックスを取り出しコメントに紐付けて記憶します。

2) 動画眼Noteで観察中にコメント記入

リサーチの実査中にリアルタイムでコメントを記入するスタイル。動画眼Noteはビデオカメラなどの記録機材と同じタイミングでタイマーカウントをスタートすることで、動画眼互換形式のコメントログを生成するミニユーティリティです。こちらは現在Windows版のみですが、近日中に同等の機能を持つ新ツールをWindows/macOS両用で開発予定です。

3) クラウド書き起こしサービスとの連携

2021年現在、様々なクラウドを使ったテキスト書き起こしサービスが利用可能です。動画編集ソフトのPremiere Proでは「音声のテキスト化」が搭載され、読み込んだ動画の音声を無料でテキストに書き起こすことができます。本ツールでは、Premiere Proで書き起こしテキストデータに書き出したものを取り込んで発話単位のチャプターとすることができます。
他にもIBMのWatsonサービスの一部であるSpeech to Textを使えば、音声ファイルからタイムインデックスと書き起こしたテキストのセットが入手可能です。これを動画眼で読み込めるファイル形式に変換してやれば全文書き起こしが動画のインデックスとして利用可能になります。当サイトではこちらのツールについても別途製作しています

他にも動画眼のファイル形式はシンプルなタグ区切りテキストファイルなので、その他の方法で簡単にタイムコードとコメントのペアを生成し利用することが可能です。

動画眼3について

2004年のVisualBasic.NETベースの動画眼、2019年にC#.NETベースの動画眼2をリリースをしてきましたが、昨今リサーチ界隈増えているmacOSユーザにもお使いいただけるよう、再度の開発プラットフォーム刷新を断行いたしました。ElectronというHTML/JavaScript技術をベースにした開発プラットフォームを採用し、ほぼ手間をかけずにWindows/macOS/Linuxで動作するアプリケーションを作れるようになりました(現在Linux版は動作検証、インストーラーの提供は行っていません)。

動画眼2からの主な違いとしては、以下のようなものがあります。動画眼/2をご活用いただいていた方はご注意ください。

などがあります。

ログファイルフォーマット

動画眼は以下のファイルが動画と同じフォルダに存在する時に自動的に読み込みを行います。複数存在する場合は上から順に優先的に読み込みます。

2.x形式

以下のフォーマットによるタブ区切りテキストで、文字コードはUTF-8、拡張子は.dggn.txtです。

83.5 [TAB] 本日はお越しいただきありがとうございます [TAB] 1
154.1 [TAB] よろしくお願いします [TAB] 2

秒、コメント、話者ラベルの3フィールドから成っています。

話者ラベルは0~10の整数です。厳密には形式上は文字列ですが整数の0~10のみカラーリングが効きます。

1.x形式(廃止予定)

以下のフォーマットによるタブ区切りテキストで、文字コードはShift-JIS、拡張子は.txtです。

00:01:23 [TAB] 本日はお越しいただきありがとうございます
00:02:34 [TAB] よろしくお願いします

タイムコードは「時:分:秒」形式です。

Premiere Proのキャプションを出力したテキスト形式

Premiere Proの「音声のテキスト化」(書き起こし)機能を用いた出力を読み込む為の形式です。こちらの方法で出力できます。拡張子は.txtとなります。動画眼1.0形式と同じ拡張子ですが自動的に判別して読み込みます。

	00:01:23:54 - 00:01:36:04
	スピーカー 1
	本日はお越しいただきありがとうございます

	00:02:34:31 - 00:02:36:22
	スピーカー 2
	よろしくお願いします

(動画眼2でPremiere Proからのインポートに試用していたsrt形式は上記のスピーカー情報が含まれないため、今後は上記方法をご利用ください。)

対応メディア形式

メディア再生エンジンはWeb技術(Chromium)を用いており、原則Chromeブラウザと同等になります。avi/wmvなどの古い形式は非対応となりましたのでご了承ください。

動画 mp4(h.264), webm(VP8/9/AV1), ogg
音声 mp3, aac, ogg, wav

最新のChromeが対応する形式についてはこちらをご覧ください。ここに記載されているコーデックは簡単に対応できる可能性がありますのでご相談ください。

基本の使い方

ファイルメニューまたはドラッグ&ドロップで動画ファイルを開きます。同じフォルダ内に拡張子違いのログファイルがある場合は自動的に読み込みます。

同じ動画に対し複数のログファイルがある場合(複数人が動画眼Noteで記録していた場合など)は、ファイルメニューの「ログを追加する」からマージすることもできます(上書き保存は最初に自動で読み込んだファイルに対して行われます)。

動画プレーヤー部分は一般的な動画再生UIに加え、あらかじめ指定した秒数だけ前後スキップすることができるボタンが備わっています(と)。何秒ジャンプするかはボタンを右クリックすることで変更することができます。またタッチパネル環境では動画上を左右にスワイプすることでも同じ秒数スキップすることができます(調整中)。再生位置の指定秒数ジャンプは以下の方法で行えます。

前にジャンプ(早送り)
  1. ▶▶ボタン
  2. 「再生操作」メニュー->「前へジャンプ」
  3. Ctrl+W
後ろにジャンプ(巻き戻し)
  1. ◀◀ボタン
  2. 「再生操作」メニュー->「後ろへジャンプ」
  3. Ctrl+Q
再生/一時停止(トグル)
  1. 「▶/||」ボタン
  2. 「再生操作」メニュー->「再生/一時停止」
  3. Ctrl+E (動画眼3で変更)
  4. 動画部分をシングルクリック/タップ
新規メモ欄を表示(トグル)
  1. 「表示」メニュー->「新規メモ欄」
  2. Ctrl+M または Alt/Cmd+M
  3. 「新規メモ欄」チェックボックスをクリック
新規メモのロックオン秒数を更新
  1. 新規メモ欄のタイムコード欄をクリック
  2. Ctrl+L
話者コードの切り替え
  1. 話者コード欄両脇の◀▶ボタン
  2. Option+←→

再生中の箇所に対して新規のコメントを追加したい場合は「新規メモ」から行えます。秒数を微調整しながらポイントを決めてコメントを記録してください。ユーザテストの記録に便利な「タスク開始/終了」「発話」などの定型文ボタンをご活用ください。

コメントはタイムコードラベルの部分(色がついている部分)をクリックすると動画が該当箇所にジャンプします。

リストにあるコメントの削除や話者ラベルの変更は右クリックから行えます。

またWatsonによる書き起こし由来のデータの場合、複数の話者による発話が分割されずにひとかたまりになっている場合があります。その場合、分割したい箇所にカーソルを置いて右クリックをするとその位置でメモを2つのセルに分割することができます(後側のタイムコードは便宜的に元の1秒後にセットされます)。

ウインドウ左下のカメラアイコンをクリックすると、再生中のフレームのスクショをJPG画像ファイルとして保存することができます(動画と同じフォルダに保存されます)。